Models B-3, C-3 & A-105 |
![]() |
電源スイッチ
まずランスイッチがオフの状態で、スタートスイッチを押してスタートさせて下さい。押さえたままの状態で、ゆっくり8つ数えて下さい。スタートスイッチを押さえたままの状態で、ランスイッチをオンにします。そして両方のスイッチがオンの状態で、ゆっくり4つ数えてから、スタートスイッチを放して下さい。オルガンは約30秒位で真空管が暖まり、演奏できる状態になります。オルガンを作動させる度にこの手順を踏んで下さい。オルガンを止めるには、ランスイッチをオフの位置にして切って下さい。ご注意:オルガンの椅子の中にある設置説明書に従って、設置の際にジェネレータ固定用のボルトを緩めて下さい。
エクスプレッション ペダル
右足でエクスプレッションペダルを踏むことによって、ボリュームをコントロールできます。ボリュームを上げるには右足爪先で前方に踏み込んで下さい。手前に戻すとボリュームは下がります。
ペダル鍵盤
ペダル鍵盤で、メロディーと伴奏に奥行き、芯、そしてリズムを与えるベース音を弾きます。ペダル音のボリュームと音色を調節するには、中央にある2本の茶色のペダルドローバーを用いて下さい。左側の16'
のドローバーで音の低さ、深さをコントロールします。右側の8' のペダルドローバーで明るさをコントロールします。
ボリュームソフト
ノーマルとソフトいずれかの状態で演奏します。エクスプレッションペダルでボリュームを最大にしている時の音量を、約半分に下げます。
ビブラートスウェルとビブラートグレート
ビブラートは音楽に暖かさを与え、感情的な表現をします。ビブラートは1つの音色、または音色の組み合わせと一緒に用いると良いでしょう。そしてまた大編成のオーケストラのような効果が得られます。教会音楽を演奏するときにはほとんど用いられません。ビブラートスウェルは上鍵盤に、ビブラートグレートは下鍵盤にかかります。
ビブラート/コーラス
3段階のビブラート及び3段階のコーラスビブラートの計6つの効果のうち、1つを選択できます。効果はそれぞれ違います。V-1
の効果は少なく、たいていのオーケストラの独奏楽器の普通のビブラートにあたります。V-2 は音色に暖かさを加え、V-3 はホールで演奏しているような効果を与えます。
コーラスビブラートはチェレスタのような効果があります。ビブラートのかかった音とかかっていない音は等しい割合で混ざります。これはビブラートのかかっていないフレンチホルンとビブラートがかかったバイオリンが一緒に演奏されるような時に、好ましいと言えます。単音で演奏する時、コーラスは幾つかの独奏楽器が一緒に演奏されているような効果を創ります。V-1
が教会音楽で許される程度で、 C-1 は時々賛美歌や前奏曲に用いられます。
ビブラートのいくつかの使用例
上鍵盤 | バイオリン | バイオリン | V-3 |
. |
下鍵盤 |
. |
00 3322 000 | ノン・ビブラート |
. |
上鍵盤 | イングリッシュホルン | 00 3744 320 | ノン・ビブラート |
. |
下鍵盤 |
. |
00 3322 000 | V-1 |
. |
下鍵盤 |
. |
00 5324 022 | ノン・ビブラート |
. |
上鍵盤 | ヒューマンボイス | 00 2200 232 | V-3 |
. |
[PRESET
GIF]
プリセットキー
上下各鍵盤の左側に白黒が反転した12のプリセットキーがあります。それぞれの鍵盤上で同時に1つずつしか使えません。各プリセットキーのグループの最初の(一番左側の)キー(C)
はキャンセルキーになっています。このキーを押すとそれまで押されていたキーはキャンセルされます。キャンセルキーは通常の状態で用いられるのでなく、間違えて複数のキーを押してしまった場合に用いられます。
その次の C#から A まで9つのプリセットキーを指1本で押さえるだけで、ソフトなソロトーンから壮大な礼拝用の音色まで即座に切り替えることができます。プリセットキーは左から右に進むにしたがってボリュームはだんだん大きくなります。大体において、白いプリセットキーはソロ用の音色、または楽器音です。黒いキーはアンサンブルボイスです。プリセットボイスでほとんど無限のレジストレーションの自由度が得られます。
最後の2つのプリセッとキーはそれぞれのドローバーがマニュアルによってセットされているものを選択します。アッパーA#はドローバーグループ1(1番左側の9本)を選択します。アッパーBはドロバーグループ2そしてパーカッションボイスを選択します。ロワーA#
はドローバーグループ4を、ロワーBはドローバーグループ5をそれぞれ選択します。
ハモンドのプリセット音はオルガニストの演奏スタイルに合わせて、または演奏される音楽のタイプに合わせて変えることができます。プリセット音を変えることはカーラジオの放送局を選択するためのボタンを調整する労力とたいした違いはありません。お気に入りのレジストレーション(ドローバーのセッティング)をメモしておいて下さい。オルガン背面内部の右隅上に組み替えのできるようになったプリセットパネルがあります。すぐ近くにリセットの仕方を簡単に説明した表があります。必要な道具はマイナスドライバーだけです。
|
プリセット・キー | ドローバー・セッティング | 音 色 |
C |
. |
キャンセル |
C# | 00 8740 000 | French Horn 8' |
D | 00 8408 004 | Tibias 8' & 2' |
D# | 00 8080 840 | Clarinet 8' |
E | 08 8800 880 | Novel Solo 8' |
F | 60 8088 000 | Theater Solo 16' |
F# | 00 4686 300 | Oboe Horn 8' |
G | 60 8807 006 | Full Tibias 16' |
G# | 00 6888 654 | Trumpet 8' |
A | 76 8878 667 | Full Theater Brass 16' |
A# | 上鍵盤,マニュアルの第1グループ |
. |
B | 上鍵盤,マニュアルの第2グループ |
. |
|
プリセット・キー | ドローバー・セッティング | 音 色 |
C |
. |
キャンセル |
C# | 00 4545 442 | Cello 8' |
D | 00 4432 000 | Dulciana 8' |
D# | 00 4800 000 | Vibraharp 8' |
E | 00 2500 234 | Vox 8' & Tibia 4' |
F | 00 6554 322 | String Accomp. 8' |
F# | 00 5642 200 | Open Diapason 8' |
G | 00 7656 311 | Full Accomp. 8' |
G# | 00 8030 000 | Tibia 8' |
A | 84 7767 666 | Bombarade 16' |
A# | 下鍵盤,マニュアルの第1グループ |
. |
B | 下鍵盤,マニュアルの第2グループ |
. |
|
プリセット・キー | ドローバー・セッティング | 音 色 | ダイナミックス |
C | . | キャンセル |
. |
C# | 00 5230 000 | Stopped Flute | pp |
D | 00 4432 000 | Dulciana | ppp |
D# | 00 8740 000 | French Horn | mp |
E | 00 4544 222 | Salicional | pp |
F | 00 5403 000 | Flutes 8' & 4' | p |
F# | 00 4675 300 | Oboe Horn | mf |
G | 00 5644 320 | Swell Diapason | mf |
G# | 00 6876 540 | Trumpet | f |
A | 32 7654 222 | Full Swell | ff |
A# | 上鍵盤,マニュアルの第1グループ |
. |
. |
B | 上鍵盤,マニュアルの第2グループ |
. |
. |
|
プリセット・キー | ドローバー・セッティング | 音 色 | ダイナミックス |
C |
. |
キャンセル |
. |
C# | 00 5230 000 | Cello | mp |
D | 00 4432 000 | Flute & String | mp |
D# | 00 8740 000 | Clarinet | mf |
E | 00 4544 222 | Diapason, Gamba & Flute | mf |
F | 00 5403 000 | Great, No Reeds | f |
F# | 00 4675 300 | Open Diapason | f |
G | 00 5644 320 | Full Great | ff |
G# | 00 6876 540 | Tibia Clausa | f |
A | 32 7654 222 | Full Great with 16' | fff |
A# | 下鍵盤,マニュアルの第1グループ |
. |
. |
B | 下鍵盤,マニュアルの第2グループ |
. |
. |
いかにしてハーモニックドローバーで多くのの美しい音色を創り出すか
ハモンドオルガンの素晴しいハーモニックドローバーを利用するためには、本当に“音楽”が何であるか理解する必要があります。全ての音は、音楽的な音であろうと何であろうと、空気中に衝撃波または振動を伝えることで作り出されます。これが私たちの敏感な聴覚器官で“感じられたり”、“聴き取られたり”するのです。一つの音を聴いていると思われるかもしれませんが、実際はどの音も、または音楽的な音も“基音”と沢山の“ハーモニックス(倍音)”から成っているのです。違う楽器を同じ音程で演奏された場合、倍音は違った構造を持っています。
もし鍵盤上のそれぞれの音程で基音と沢山の倍音が得られる音源があるとすれば、これらの基音と倍音を用いて、ほとんどどんな楽器音にも似せた音を合成(シンセサイズ)することが可能なのです。そしてそれが正にハモンドオルガンのハーモニックドローバーでできることなのです。
ドローバーとパイプオルガンの用語
基音を表わしたドローバーが“8' ”と1オクターブ下のドローバーが“16' ”と記されています。これはパイプオルガンの用語です。パイプオルガンで基音を出すのに用いられているパイプは実際に8フィートの長さで、1オクターブ下の基音を出すパイプが
16フィートの長さであることを表わしています。さらに基音の1オクターブ上の音を出すパイプが 4 フィートの長さであることを表わしています。
白のドローバー
それぞれのマニュアルドローバーの左側から数えて最初の白のドローバー(8')は基音を表わしています。他の全ての白のドローバーと基音とはオクターブ間隔です。基音だけでオルガンを演奏し、次に一つずつ白のドローバーを加えてみて下さい。どの場合にも1オクターブ高い音が加わっていくのがわかります。音の明るさは白のドローバーを加えることで増していきます。しかし加えられる倍音は常に“協和”倍音です。
黒のドローバー
ハモンドオルガンの黒のドローバーは、豊かな音色を形成するのに必要な不協和な倍音を表わします。不協和な倍音は音楽的でないと考えられるべきではありません。不協和な倍音は程度の差はあれ、多くのオルガンやオーケストラの楽器の音に見受けられます。例えばメロウなホルンの音、輝くようなストリングスの音、明るいリードの音など、それぞれ異なった程度でこの不協和な倍音が存在することでその音色が特徴づけられるのです。
しかしながら、大体の場合において、黒のドローバーは白のドローバーよりも強調されるべきではありません。
茶色のドローバー
白と黒のドローバーに加えて、2つの茶色のドローバーがあります。これらは“サブオクターブ”の効果を作り出します。左から数えて最初の茶色のドローバー(16')
は基音からオクターブ下で、2番目のドローバー(5 1/3') は第3倍音からオクターブ下です。これらはドローバー・レジストレーションに深さと豊かさを加えます。
(図4)
パイプオルガンの大きさ、ストップの多さに関係なく、その音色はすべて4つの基本的な系列に属しています。例えば、スストリング系は、バアイオリン、チェロ、ビオラ、エオリアンといった音色を含みます。またオーボエ、クラリネット、バスーン、イングリッシュホルンがリード系に含まれます。
音色の系列は、それぞれの系列を表わすハーモニックドローバーのパターンで即座に作り出すことが出来ます。
フルート系
主として津用基音と第2倍音、時々わずかに用いられる第3倍音。
リード系
ドローバーの中帯域を強調、しばしば第3倍音が基音より強調される。
ディアパソン系
強い基音と第2倍音、そして比較的弱い高次倍音。
ストリング系
比較的弱い基音と第2倍音、強い高次倍音。
オルガンの音色を創り出すことに関する、そしてそれ自身によって心地よい便利な効果を作り出す一般法則があります。しかしながら、音色の本当の美しさは2つの方法によって得ることが出来ます。最初の方法は、たいていのオルガンミュージックで聞くことが出来る、優れたオルガニストによって生み出されてきたレジストレーションを利用することです。2番目の方法(そして最終的には、それがそれぞれの音楽のフィーリングを最も良く表現するものになるのですが)は、お気に入りの曲で色々と試したり、その音色を完全なものにしていきながら、自分自身の音色を創り出していくことです。あなたの音楽を自分の最も気に入った音色で特徴づけて下さい。しかし、いつも同じ曲を同じレジストレーションで演奏しないようにして下さい。他の新しい音色も探してみて下さい。ハモンドオルガンには、それぞれの曲に何百という違った演奏の仕方があるのですから。
欲しい音色を得るには
トランペットと示されたレジストレーションの音色が、ある曲で用いられた場合、心に描いていたような音ではないかも知れません。もしその音色がファクトリープリセットされたオルガンならば、1つないし、いくつかのトランペットの音色で満足しなければならないでしょう。
しかしながらハモンドオルガンは、望む音色を創りだすことが出来るばかりでなく、そのたくさんの素晴しいバリエーションを創りだすことが出来るのです。ハモンドオルガンでのみ、音色を、響き方の度合をどんな曲にも合わせることが出来るのです。そしておそらくはもっと重要であろうことなのですが、演奏される部屋の音響状態に合わせることが出来るのです。
どのような空間の音響状態にも、その音の響き方を合わせられるということは、とても重要なことです。なぜならば演奏される部屋の音響状態は、音楽がいかに美しく響くかということと大いに関係があるからです。教会やコンサートホールのこの音響状態の問題は非常に重要なので、カスタムメイドのパイプオルガンは設置された後に、パイプの音が教会やホールの響きに合わせて調整されるのです。
ハモンドオルガンを用いれば、音色を柔らかくしたり明るくしたり、ある倍音を豊かに響かせたりするのに、指1本で触れさえすればよいのです。偉大な音楽家達が、これはハモンドオルガンのその多くの独特の特徴の中でも、最も素晴しいものの一つであると言っているのです。
(表1)
基本的なフルートトーン
他のどんなタイプのオルガンでは、ファクトリープリセットされた1音色、またおそらくは2音色ないし3音色のフルートトーンでしか演奏できないのに対して、ハモンドオルガンでは、文字どおり何百ものフルートトーンを使うことが出来ます。単に
00 3700 000 まで左から3番目と4番目のドローバーの割合を変えるだけで、ライトコンサートタイプのフルートの音色を創り出すことが出来ます。または4番目のドローバーを完全に押し込んでしまい、5番目のドローバーを少しと基音(3番目のドローバー)を加えると、ソロティビア(80
8605 004) の音色を創り出すことが出来ます。この音色はビブラートをオフにして使って下さい。
どの白のドローバーを用いた組み合わせでも様々なフルートトーンを得ることが出来ます。左から数えて最初のドローバー (16'
) で音に深さを加えます。
(表2)
基本的なリードトーン
リードトーンは金管系や木管系の音を含んでいます。後者の音色はリードを振動させることによって得られるのです。典型的なリード系の音色であるオーボエの音色は、基音それ自体とほぼ同じ量の左から数えて最初のドローバーとともに、ハーモニックグループの中音域のドローバーを強調することで得られます。最初の黒のドローバー
( 2 2/3' ) を用いることは、典型的なリード系のレジストレーションなのです。この音色は、覚えておくのに簡単な“トライアングルパターン”を作り出します。それほど強くない音色のレジストレーション、
00 2333 200 は伴奏に用いるとよいでしょう。
(表3)
基本的なディアパソントーン
どのディアパソントーンも比較的弱い高次倍音とともに、強い基音と第2倍音に特徴があります。ディアパソントーンは発音される音色の特徴よりも音響状態が良いか悪いかによって影響されます。ある状態では満足のいくレジストレーションが別の状態では満足のいくものではないかも知れません。
音色を構造として論じるなら、ディアパソントーンはほとんどの高次倍音が欠けているフルート系と、強い高次倍音に特徴づけられるストリング系の中間にあります。
(表4)
基本的なストリングトーン
4番目のそして最後のオルガン音色のグループ系列はストリング系です。ストリングトーンの性質は、とりわけ強い高次倍音によって特徴づけられます。基音と第2倍音は比較的弱くなっています。この倍音構造はフルート系のそれとは反対です。たくさんのストリングトーン
レジストレーションの可能性があります。どのストリングトーンも高次倍音の量を変えることで、“鈍く”も“明るく”も出来ます。実際ストリング系は4つの系列の中で最も多岐に富み、その音色をソフトにも大きくも出来ます。またシングルストリングスにもグループで演奏したようなストリングスにも、またソロにも伴奏にも使うことが出来ます。
ドローバーレジストレーション
オルガンの音色は皆それぞれの倍音構造ばかりでなく、演奏される音の大きさと使われる音域によっても特徴があります。例えば、ストリングトーンはソフトに演奏されるべきです。ストリングレジストレーションサウンドがチューバのそれと同じ様な音量で響くようにするためには、また、ストリングスのように響かせるためにはエクスプレッションペダルをそんなに踏み込むべきではありません。バイオリンレジストレーションを低音域で演奏したとしたら、なるほどその音色は確かに美しい場合もあるかも知れません。しかし、バイオリンのようには聞こえないでしょう。以下に色々な楽器の音色が、どの音域で演奏されるべきかを示してあります。鍵盤上で1番低いオクターブ域を1、次のオクターブ域を2というふうに示してあります。
(図13)
(表5)
一般的な法則としては、1オクターブ目では2つの茶色のドローバーを使わないで、2オクターブ目では茶色のドローバーを使って、(和音ではなくて)単音で演奏することです。
ドローバーレジストレーションの組み合わせ
フルオルガンの効果がオルガンの“ボイス”を組み合わせていって得られるように、ハモンドオルガンで使いたいどんな音色でも簡単に組み合わせることが出来ます。それは算数よりも簡単です。以下のように組み合わせられます。
01 6788 540 |
00 8210 000 |
00 1354 321 |
この3つの音色が一緒に鳴っているようなレジストレーションを得るには、それぞれのドローバーで一番大きな数字を選べば良いのです。結果は以下のようになります。
. |
01 8788 541 |
. | . |
別の例 | 00 8240 000 |
Tibia 8' | 00 8443 321 |
Vox Humana 8' | 00 8443 321 |
シアターオルガン レジストレーション
(表6)
自分自身のレジストレーション
ハモンドオルガンを演奏する楽しみの一部に自分だけのドローバーのセッティングをアレンジすることにあります。演奏する曲に指定されているレジストレーションは本質的なものではありません。こういったレジストレーションは単に作曲家や編曲者が参考までに記したまでのことで、それを選ばなければならないということではありません。演奏する部屋の音響状態によっては、用いているレジストレーションをほんの少し変えてみることで、望ましい音になるかも知れません。特に少し音に“明るさ”を加えたいならば、高次倍音のドローバーの加える量を変えてみることです。
ハモンドオルガンで色々な音色を試すことをためらわないで下さい。たくさんの美しい楽器の音色があり、音楽の楽しみの一つには音楽をもっと面白いものにするために、新しい、そして素晴しい音色を創り出すことにあるのです。たいていの場合、ハモンドオルガンのレジストレーションを用いたアレンジで、編曲者は、演奏中に非常に多くの音色の変更を要求します。こうした要求は音質の性質上、非常に“コントラストに富んだ”ものであるかもしれませんが、レジストレーションの変更のため演奏を中断しなければならないような所に記されている場合もあるかもしれません。こうして編曲者によって記されたレジストレーションの変更は好みの問題であり、必ずその必要があるわけではありません。多くの優れたオルガニスト達が、演奏中に音色を極端に変えることは、おおかた望ましくないと指摘しています。
一秒もかからないせいぜい一つか二つの、非常に簡単なドローバーの変更をやってみることをお勧めします。それでもそれまで用いていた音色から、極く自然に変化したことに気付くような音色の変化があるでしょう。
きっとご自身で音色を創り出すことを楽しまれるようになるでしょう。そして気に入ったレジストレーションを見つけたときは是非書き留めておいて下さい。
パーカッション効果
タッチレスポンス パーカッションを用いて右手のメロディーにアクセントをつけることができます。ノンレガート奏法で演奏した時のみ、この効果があります。つぎのキーを弾く前に、その前に弾いたキーを離して下さい。
パーカッション効果は上鍵盤のドローバーセッティング (プリセットB) にかかります。下鍵盤には効果がかかりません。
[PERCUSSION
GIF]
パーカッション オン/オフ
パーカッションはパーカッションスイッチがオンの状態で、プリセットキー‘B’が押されている時にかかります。上鍵盤用の2番目のドローバーグループは、8番目のハーモニックドローバー(1
1/3' )を除いて通常の状態のように作動します。この8番目のドローバーはパーカッションがオフの時に音が出ます。言い換えれば、パーカッションがオンの時は1
1/3' のドローバーは鳴りません。
パーカッション ボリューム
パーカッションのボリュームを調節します。“ノーマル”の状態でパーカッションは上鍵盤用のドローバーの音よりも大きく鳴ります。“ソフト”の状態ではパーカッション音は小さくなります。
パーカッション ディケイ
“スロー”の状態で、パーカッション音の減衰時間はチャイムのようにゆっくりと減衰します。“ファスト”の状態ではシロフォンやマリンバのように素早く減衰します。
パーカッション ハーモニックセレクター
このタブスイッチはパーカッション音のピッチを決定します。“セカンド”にすると基音の1オクターブ上のピッチ (4' )でパーカッション音が鳴ります。“サード”では基音の1オクターブと5度上
(2 2/3' )の音が鳴ります。
パーカッションの使い方
パーカッション音はそれだけで用いられることは滅多にありませんし、控えめに用いられるべきです。より効果的なパーカッションレジストレーションはパーカッション音と持続音のコントラストを際だたせます。
いくつかの提案
1. 両方の鍵盤でビブラートを V-3 の状態で演奏し、ソロを目だたせるためにパーカッション音をノンビブラートで演奏してみて下さい。
2. あまり多くのドローバーを用いないことです。4本以上のドローバーが用いられている場合、パーカッション音は持続音の中に隠れてしまいます。
3. もしパーカッション音のハーモニックが奇数ならば、偶数のドローバーを組み合わせて用いて下さい。その逆にパーカッション音のハーモニックが偶数ならば、奇数のドローバーの組み合わせを用いて下さい。たとえば、もしサードハーモニックパーカッションを用いているならば、最も効果的なドローバーは第2倍音と第4倍音のハーモニックドローバーです。セカンドハーモニックパーカッションを用いている場合には、第3倍音と第5倍音のドローバーが最も効果的です。
サブファンダメンタル ドローバー(茶色のドローバー)
もし指定されれいるレジストレーシンが茶色のドローバー、または16' のドローバーを含んでいるならば、まず楽譜に書かれている通りに演奏して下さい。もしレジストレーションがこのピッチのドローバーを含んでいないならば、楽譜に書かれている1オクターブ上で演奏して下さい。そして作曲家が意図したピッチと同じピッチで演奏するために、サブファンダメンタルドローバーを加えていって下さい。このテクニックは持続音からパーカッション音を際立たせます。
モデル B-3, C-3, A-105 日本語版取扱説明書 |